調べ物をして出版の仕事を手伝った話

皆さまこんにちは。初めましての方は初めまして。

こちらはklis Advent Calendar 2016の12日目の記事になります。

 

 

www.adventar.org

 

自己紹介
  • 名前:みさき
  • 所属:klis14(現在B3)情報資源経営主専攻

昨年のklis Advent Calendarでは私の文理系ならぬ分離系っぷりを綴りましたのでお暇がある時にでもご笑覧ください。先日その後の話もアップしましたのでよろしければどうぞ。

 

nkmmrsk.hatenablog.jp

 

後輩のみんな!!これらを見てもらえばわかるが単位を落とすことそれすなわち地獄への片道切符だ!!!!単位は一発で!!!死ぬ気で!!!!取れ!!!!!私との約束だ!!!!

 

てなわけで自分の適性や興味を鑑みた私は現在、知識情報・図書館学類の中でも比較的文系寄りな主専攻として認識されている「情報資源経営主専攻」で学問に励んでいます。

 

毎年のklis Advent Calendarを見ているとシステム系の人が正直もう日本語なのかすらもよくわからない強そうな内容で書いているわ、自分の経験談とか後輩へ向けて書いている人もいて、本当に十人十色です。

 

Twitterが目に入っていた方ならご存知かと思いますが、10月末にAdvent Calendarの参加表明をした時から記事のテーマについて二転三転四転五転くらいしていました。話題が捻りだせなさすぎた結果、書いちゃダメかなと思っていた*1話題について書いて良いかダメ元で上司に当たる方へ連絡を取ったところあっさり許可が出たので、その話題について書きたいと思います。

 

 

調べ物のバイトをしました

今夏から秋にかけて、とある書籍*2の出版のお手伝いをさせていただきました。詳細は(たぶん)書けないのでぼかしながら説明すると(察しの良い人ならこの後説明する私が調べたことを見ればなんとなく事情がわかるかと思いますが)、指示された内容について“一般人が”知ることのできる情報源・範囲で“できるだけ正確に”調査し、簡単に図表にまとめるというバイトをさせてもらいました。システム系にとんと疎い調査系が好きな文系寄り分離系klis生の腕の見せどころといったバイト内容ですね。

 

しかしながら依頼された内容は、自分にとって全くの専門外である軍事に関する情報収集が主でした。依頼されたときは戦闘機の種類とかわっかんねーよ!!私が知ってるのは好きなアニメやマンガで出てきた好みの銃火器の知識くらいなもんだよ!!*3*4*5*6*7と心の中で叫び、どうしたものかと頭を抱えていましたが、「どの程度の情報を求めているか」や「基本的な情報」は上司に当たる人からきちんと教えていただけたので、なんとか進めることができました。

 

というわけでこの記事では自分にとって全くの専門外の情報について、どのようにとっかかりを見つけてより正確な情報源にたどり着くかということ、そして具体例として私が実際に調査を依頼された内容について

の3系統に簡単にまとめ、調べた際の私のプロセスをご紹介したいと思います(とは言ったもののログをちゃんととっていたわけではなかったのであくまで再現です)

 

在日米軍の情報

在日米軍の展開兵力を、機数やどの艦が入港しているかまで調べてほしい」という内容に対して「とりあえずはWikiで概観してそのあと防衛省あたりかな…」とあたりをつけながら調査を進めていった結果、最終的に参照したのは主に以下の情報源になりました。

 

  1. 自衛隊が出した資料
  2. 基地がある行政のWebページ
  3. 基地がある地域の地方紙の記事
  4. 基地反対団体が作成した資料

 

“正確な”という点においては1~3の情報源がピカイチでしょう。まず在日米軍の展開を概観するのに参照したのは、「1.自衛隊が出している資料」であるところの「防衛白書」の以下のページです。

 

www.mod.go.jp

 

しかしこれだと基地の所在やどういった装備が入っているかといったことしかわかりません。ここからより詳しい情報を手に入れるためには、もう少しミクロなところに落とし込む必要があります。「2.基地がある行政のWebページ」「3.基地がある地域の地方紙の記事」に当たりますね。

 

4.普天間基地の概要/沖縄県

 

京都新聞|京丹後 米軍基地 Xバンドレーダー - 京丹後米軍レーダー、運用開始

 

探しても正確な情報源がなかなか見つからない場合もありました。そういう場合は「4.基地反対団体が作成した資料」を参照しました。基地に反対するためには、相手のことをよく知る必要があるということでしょうか。機数まで書いてある資料やサイトが見つかりました。しかしながら一個人、一団体が調べたという点において信頼性は低くなると言わざるを得ないでしょう。

 

 

米国の情報

 「米国の国家としての赤字額」については、外務省の以下のページ「米国の連邦財政赤字」のグラフを参照しました。

 

www.mofa.go.jp

 

f:id:nakamimura:20161212100703p:plain

出典:2017年度予算教書 | 外務省

 

よく見ると、グラフに「出所:米行政管理予算局」とありますね。出典が書いてあれば出典元も参照するのがklis生としての嗜みです。アメリカ合衆国行政管理予算局Office of Management and Budgetにアクセスしてみると「Historical Tables」なんて素敵なページがあるではないですか。早速「Table 1.1—Summary of Receipts, Outlays, and Surpluses or Deficits (-): 1789–2021」(「歳入歳出予算・剰余金赤字金額のまとめ」みたいな訳で合ってると思います)というタイトルのExcelデータを開いてみましょう。

 

www.whitehouse.gov

 

f:id:nakamimura:20161212103400p:plain

出典:Historical Tables | The White House Table 1.1—Summary of Receipts, Outlays, and Surpluses or Deficits (-): 1789–2021

 

Excelデータの単位は「in million dollars」です。フリーハンドで頑張って赤線で囲ったところを見てもらえればわかりますが、先ほどの外務省のグラフの数値はTotalの「Surpluses or Deficits」(剰余金と赤字金額)の箇所の数値を10億ドル表現にして大体四捨五入したものだということがわかりました。

 

 

米軍の情報

「米軍兵士の給与」なんてどう調べればいいんだ……と頭を抱えた私。とりあえずGoogle先生に聞いてみると、NAVERまとめの「アメリカ軍隊の階級と給料(米軍の階級一覧)」というページが出てきました。

 

matome.naver.jp

 

NAVERまとめを書籍の出典にしようとする阿呆な方は流石にいませんよね?ここからとっかかりになりそうなキーワードを探してみると、出典に「2014 Military Pay Chart」というリンクがありました。早速アクセスしてみましょう。リンク切れでした。

 

とりあえず「Military Pay Chart」というのがそれっぽいキーワードだということがわかりました。ゼロからのスタートなのでこういうのも立派な手掛かりです。とりあえずこのワードで再度検索してみると、こんなページがヒットしました。

 

https://www.dfas.mil/militarymembers/payentitlements/military-pay-charts.html

 

それっぽい。すごくそれっぽい。でも「Defense Finance and Accounting Service」って一体なんの組織なんだ……?もしかしたら民間の軍事業者とかかもしれないし……。

 

英語が壊滅的にできないマンなので上司に聞いたりした結果、DFASとはアメリカ国防総省国防総省内部部局「国防財政会計部」だということがわかりました。ペンタゴンの下部組織が出してるなら、もちろん信頼できる情報ですね。等級や勤続年数等を考慮してどの数値を採用するかは、その道のプロの方に監修していただきながら決定しました。

 

 

まとめ

普段はレポート書くときに論文を検索するといった、自分のためにしかしない「信頼性の高い情報を探索する」という行為でお金が稼げる*8なんてまさか思いもしませんでした。世の中色々な需要があるもんだとか、学類で鍛えられた「情報を探索するという行為に対する思考回路」がお金になるなんて、“調べる”という行為への学問も捨てたものじゃないな、とか不思議な気分になったものです。同時に調査した結果を大人の人に褒めていただけたのも、大変嬉しいことでした。

 

学生のうちから出版の現場に携わらせてもらうなんて貴重な経験ができたのは、本当に運が良かったことだと思います。今回のバイトは以前からお世話になっている方*9からの依頼で引き受けたものでしたが、その繋がりが出来たのは「未知の領域に踏み入れてみたい」という意志からでした。皆さんも学生の時に是非、積極的に新しいことに挑戦してみてください。

 

 

 

*1:守秘義務とかうんたらかんたらを考えて候補にすら入れてなかった

*2:K談社の新書として出版されました

*3:ベタ中のベタですがベレッタM92FSとブローニングM1918自動小銃が好きです

*4:まどマギのほむほむとBLACK LAGOONのグレーテルが大好きです

*5:ロベルタさんには蔑みの目を向けられたいです

*6:私はロベルタさんのようなロンスカメイド服で銃火器ぶっ放す系女子が大好物です

*7:皆さんもロベルタさんの画像検索結果を見て銃火器系メイドにハマって下さい

*8:バイト代として最終的に私が毎月実家から貰っているの仕送りの額の1.6倍のお金をいただけました本当にありがとうございました

*9:1年次から参加させていただいている某特別講義の先生